アッピア街道 Via Appia (ラテン語)
…「アッピウス(「アティス神」)の街道」。
cf. B.C.312年、監察官アッピウス=クラウディウス=カエクス Appius Claudius Caecus
がローマとカプア間に建設したことに由来するネーミング。
アッピウスの意味や語源は不明だが、フリギア(小アジアの古代王国)の神アティ
ス Attis に由来するという説がある。この神は、ギリシア神話のアドニスと同じく、
植物の死と復活を象徴する美男の少年神で、神々の母で大地の女神キベレが彼を熱愛
して自分の神殿の番人にしたが、彼がニンフ(妖精)に恋をしたため嫉妬に激怒し、
ニンフが宿っていた木を切り倒してアティスを狂わせた。その際に、彼は狂気にから
れて自分で自分を去勢したとされる(後で女神と和解)。
クラディウスの語源はラテン語の claudus 「足の不自由な者」で、あだ名が氏族名
になったとされる。ティムールのあだ名タメルラン(ティムール=ラング Timur-i lang
「びっこのティムール」がなまったもの)と同様か?
カエクスは、彼が晩年に目が見えなくなった(長年の労苦から?)ので、ラテン語
で「盲目」を意味する名がつけられたことに由来。
なお、彼は初のローマ水道である「アッピア水道」を建設したことでも知られる。